わらしべ長者 ~解説~
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わらしべ長者は古くから伝わる昔ばなしで、その原文は「今昔物語集」及び「宇治拾遺物語」などの古文献に見られる。
同文献に類聚されている「雀の恩返し」や「こぶとり爺さん」などの話と同じように日本中に伝わっており、現在では最も有名な昔ばなしの一つとして、多くの人々に楽しまれている。それぞれの地方によって、物語の進行には多少の違いが見られるが、大筋として「観音祈願型」と「三年味噌型」の二つに分けることができる。
観音祈願型では観音からのお告げを受けた若者が、三年味噌型では長者から難題を出された若者が、それぞれの道中で自らの所持品を差し出し人助けをするたびに、相手からより良い品を返礼として受け取る。そして、最終的には大きな幸運を手に入れることになるのである。各型における交換品の遷移は次の通りである。
(観音祈願型)藁→虻付きの藁→蜜柑→反物→馬→豪邸
(三年味噌型)藁→蓮の葉→三年味噌→名刀→千両→嫁
この昔ばなしの面白さは、正直者である主人公の優しい行動が、需要と供給の偶然性によって報われるという点にある。しかしそれだけではなく、親切を受けた人々が当たり前にお礼をするという点に見られる「昔ばなしらしい温かさ」も、この物語が多くの人々に愛されている理由の一つではないだろうか。【再話者のひとこと】
わらしべ長者は世界中に見られる民話の型です。日本の昔ばなしは正直者が報われる話や、 偶然性に依存する話が主ですが、同じ物語でも国によって主人公の性格はちょっと違うようです。 例えばインドの「ねずみ一匹で金持ちになる話」では、主人公は偶然に頼らずに、頭を使い 時節を待って大もうけします。また、ヨーロッパで広く親しまれている「幸せのハンス」は アジアの物語とは違い、主人公は少しずつ貧しくなっていきます。 月刊誌で紹介した以外にも、わらしべ長者の類話は世界中にあります。興味があったら 調べて比較してみるのも楽しいと思います。※再話とは、昔話の原文を元に、現代向けにアレンジを加えることです。
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