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【13選】うさぎが出てくる昔話を完全網羅!教訓や楽しみ方まで解説

輝く森のうさぎ

※本記事は、2025年10月時点での情報を元に執筆しています。

「うさぎが出てくる昔話ってどんなのがあるかな?」
「子どものときに読んだことのある、うさぎが出てくる昔話を思い出したい!」

うさぎが出てくる昔話をピックアップしたいと思うものの、タイトルや内容が思い浮かばずに困惑している方もいるかもしれません。

うさぎが出てくる昔話は世界各国に数多く存在します。うさぎは昔の人にとって身近な存在であり、信仰や月と結びつきがあると捉えられていた地域も多いためと考えられるでしょう。

一般的には、小さくてかわいらしい動物というイメージのあるうさぎですが、昔話では「ずる賢しい」「欲深い」といったネガティブな性格をもつ存在として登場することもあります。

昔話のなかにおいてうさぎはさまざまな役回りを担い、うさぎの活躍から生み出されるストーリーには、道徳心や倫理観を育む教訓も込められています。

そのため、せっかくうさぎの昔話を取り入れるのであれば、どのような性格のうさぎが活躍し、どのような学びが得られるかを理解しておくことが大切です。

そこでこの記事では、うさぎが出てくる昔話を13作品集めてご紹介します。

ストーリーやうさぎのキャラクターをより深く楽しめるように、あらすじだけでなく、教訓や子どもと楽しむ時のポイント、絵本・動画も併せて詳しくまとめました。

ジャンルタイトル
うさぎが出てくる有名な昔話4作品かちかちやま
うさぎとかめ
いなばのしろうさぎ
つきのうさぎ
うさぎが出てくるマイナーな昔話9作品​​​がまとうさぎのもちあらそい
うさぎのみみはなぜながい
ノウサギのムトゥラ
あわてんぼうウサギ
きつねとうさぎ
うさぎの角
うさぎと太郎
うさぎとくま
うさぎとおさる姫

うさぎが出てくる昔話を幅広く網羅していますので、思い出したい昔話が見つかるだけでなく、「新たに読んでみたい」「子どもに伝えたい」と思える昔話と出会えるはずです。

うさぎが登場する昔話を知りたい方はぜひ最後まで読み進めてください。

1.うさぎが出てくる有名な昔話4作品

亀とうさぎ

まずは、「うさぎが出てくる昔話といえばこれ!」という代表的な4つの作品をご紹介します。

童謡になっているものや、国語の教科書に取り入れられているものもあり、多くの方が一度は見聞きしたことがあるのではないでしょうか。

タイトル主な内容教訓
かちかちやまうさぎがおじいさんたちの仇を取るために悪だぬきを成敗勧善懲悪
うさぎとかめ足の速さが自慢のうさぎと、たゆまぬ努力を続けるかめのかけっこ勝負努力と継続
いなばのしろうさぎワニを騙して海を渡ったいたずらうさぎと優しい神様が登場する神話因果応報
つきのうさぎ老人のために心優しいうさぎが自己犠牲をみせる尊い物語慈悲の心

どのような話だったか思い出して実際に活用しやすいように、子どもと楽しむ時のポイントやおすすめの絵本をまとめています。順に詳しくみていきましょう。

1-1.正義感の強いうさぎが悪だぬきを制裁する『かちかちやま』

『かちかちやま』は、昔話の定番として現代まで受け継がれている日本の伝承話です。

「悪い行いは懲らしめられる」というわかりやすいストーリーから、江戸時代の中期には「五大昔話」の一つとして、『桃太郎』や『さるかに合戦』などとともに人気を博していたそうです。

【あらすじ】
悪だぬきから大切な畑にいつもいたずらをされて困っていたおじいさんは、ついにたぬきを捕まえます。

しかし、見張りを託されていたおばあさんがたぬきに騙され縄をほどいてしまい、そのまま殺されてしまうのです。

泣いているおじいさんから事情を聞いたうさぎは、悪だぬきの酷い仕打ちに腹を立て、復讐に立ち上がります。

『かちかちやま』に登場するうさぎは、正義感が強く、悪事に立ち向かう勇気や知恵を持ち合わせています。

うさぎは、さまざまな手段でたぬきを騙して痛い目にあわせ、見事おばあさんの仇を取ることに成功します。

その一方で、うさぎは正義の味方であるものの仕返しが容赦ない一面もあるため、少々残酷なお話という印象が残っている方もいるかもしれません。

学べる教訓勧善懲悪

善い行いは推奨され、悪い行いは厳しく懲らしめられる

物語のココから学べる「悪いたぬき」と「懲らしめるうさぎ」という子どもにもわかりやすい構造から、「悪いことをしたら罰せられる」「正義は勝つ」ということが学べます。

【子どもと『かちかちやま』を楽しむ時のポイント】

子どもと一緒に、それぞれの登場人物の気持ちに寄り添ってみましょう。

おじいさんを助けるために仕返しを決意するうさぎからは、人のために立ち向かう勇気や、思いやりの心が感じられます。

一方で、悪いことをしたたぬきは懲らしめられるべきではあるものの、「ちょっとかわいそうだな」と感じる子どももいるかもしれません。

かちかちやまのポイント

「困っている人や自分よりも力が弱い人がいたら、うさぎさんみたいに助けられるかな?」
「たぬきは確かに悪いことをしたけど、仕返しをするうさぎはどうなのかな?」

このような声掛けを交えて、立場の違う人物の気持ちをそれぞれ想像してみると、共感力を育んでいけるでしょう。

【絵本で楽しむならこちら】

かちかちやま出典:Amazon

タイトルかちかちやま
出版社福音館書店
価格(税込)1,320円

1-2.うさぎの自惚れによって敗北を招く『うさぎとかめ』

『うさぎとかめ』はイソップ寓話として日本に伝わってきた昔話です。

明治時代には小学校の国語の教科書としても取り入れられ、誰もが知る物語として受け継がれてきました。「もしもしかめよ、かめさんよ」の歌い出しで始まる童謡も有名ですね。

【あらすじ】
散歩中のかめを見かけたうさぎは、かめの「歩みの遅さ」を馬鹿にしました。

ところがかめは怒るどころか、山の頂上までどちらが先にたどり着けるかというかけっこ勝負を持ち掛けます。

しばらく走ってかめに大差をつけたうさぎは、「少しくらいなら大丈夫だろう」と昼寝をすることに。そのあいだに、かめは着々とゴールへ向かいます。

この昔話には、自信家で少し偉そうなうさぎとマイペースで努力家なかめが登場します。

うさぎが油断して居眠りをしているあいだ、かめは休まずゴールへと進み続けます。目覚めたうさぎは再び走り出すものの、すでにかめは先に到着していたのでした。

学べる教訓努力と継続

目的を達成するためには努力と、それを継続することが大切

物語のココから学べる

遠く思えるゴールでも、かめのようにコツコツと努力し続ければ、必ず到達できることを教えてくれています。

うさぎのように、ゴールまでの道のりよりも競争相手のほうに意識がいってしまうと、油断や諦めを招き、目的達成が遠のいてしまいます。

【子どもと『うさぎとかめ』を楽しむ時のポイント】

「目標を見定めて努力を継続することが大切」ということが理解できるように、なぜこのような勝負結果になってしまったのかを子どもと一緒に深掘りしてみましょう。

「うさぎさんはどうして休憩しちゃったんだろう?かめさんがどれくらい遅いかばかりを見て、『ゴールに着く』という目標を忘れちゃっていたのかもね」

「反対にかめさんは、ゴールに着くことだけを目指して自分のペースで進み続けたから、最後まで頑張れたんだね」

うさぎとかめのポイント

それぞれの視点の違いから、勝ち負けや他人との比較よりも、目標に対する継続的な努力が実を結ぶことを感じてもらえるといいですね。

【絵本で楽しむならこちら】

うさぎとかめ出典:EVO出版

タイトルうさぎとかめ
出版社EVO出版
価格(税込)1,018円

1-3.調子に乗ったうさぎが痛い目をみる神話『いなばのしろうさぎ』

『いなばのしろうさぎ』は日本最古の歴史書「古事記」に登場する神話の一つです。

平成23年以降には小学校低学年の国語の教科書にも取り入れられており、神話のなかではなじみのある方も多いでしょう。

【あらすじ】
遠くに浮かぶ大きな島に行ってみたい白うさぎは、ある日サメを騙して海を渡ることに成功します。

ところが、騙されたと知ったサメから全身の毛皮を剥がされてしまいます。
そのうえ、通りかかった意地悪な神様たちに嘘の治療法を教えられたせいで、傷がますます悪化してまうのです。

そんなうさぎに、最後には救いの手が差し伸べられます。

好奇心旺盛で知恵の働く白うさぎが登場するこの物語は、うさぎの浅はかな行動の結果、痛々しい姿になってしまうのが印象的です。

しかし、最後に通りかかった心優しい神様が助けてくれます。優しい神様から正しい治療法を教えて貰ったうさぎは、元の元気な姿に戻ることができました。

学べる教訓因果応報

よい行いも悪い行いも、それぞれに見合った報いがある

物語のココから学べる

サメを騙したうさぎには、サメから皮を剥がれたり、神様から嘘の治療方法を教えられたりといった悪い結果が返ってきました。

一方、うさぎに正しい治療法を教えた優しい神様には、「もっとも優れた神様」として評判を得るという良い結果が返ってきています。

【子どもと『いなばのしろうさぎ』を楽しむ時のポイント】

うさぎや神様の「行い」と「報い」を振り返り、自分に置き換えられるような声掛けをして、理解を深めてみましょう。

いなばのしろうさぎのポイント

「うさぎさんが皮を剥がれてしまったのはなんでかな?」
「うさぎさんのどんな行動が悪かったのかな?自分だったらどうしていたと思う?」
「神様のなかにもいじわるな神様と優しい神様がいるんだね。自分ならうさぎさんにどんな声を掛けるかな?」

うさぎを騙す意地悪な神様たちが出てくるのも、このお話の興味深いところです。

神話にはさまざまな性格や役割をもつ人間味溢れる神様たちが登場するので、古事記や世界の神話へと関心を広げていくのも面白いですね。

【絵本で楽しむならこちら】

いなばのしろうさぎ出典:EVO出版

タイトルいなばのしろうさぎ
出版社EVO出版
価格(税込)1,018円

1-4.心優しいうさぎが老人のために身を犠牲にする『つきのうさぎ』

「月にうさぎが住んでいる」という言い伝えのもととなる昔話が『つきのうさぎ』です。

『つきのうさぎ』は、お釈迦様の前世における物語とされる「ジャータカ」の一節が由来といわれており、今昔物語や良寛の長唄としても残されています。

【あらすじ】
仲良く暮らしていたうさぎときつねとさるのもとに、お腹を空かせて弱り切った老人が現れます。

3匹は老人のために毎日食べ物を探しにいくのですが、うさぎだけは何も見つけられずに帰ってくる日が続いていました。

とうとううさぎは、老人に「私を召し上がってください」と言い残し、自ら火の中に飛び込んでしまうのです。

『つきのうさぎ』には「人のためになりたい」という思いが強い優しいうさぎが登場し、困窮した老人を自分の力でなんとか助けようと奮闘します。

結局、老人の正体は神様でした。うさぎの優しい心に感動した神様は、うさぎがいつまでも幸せに暮らせるよう月の世界に連れていったという結末を迎えます。

学べる教訓慈悲の心

苦しんでいる人の苦しみをなくして、幸せになってもらいたいと思いやる心

物語のココから学べるうさぎは「苦しんでいる人をなんとか救いたい」という思いやりの気持ちが強くあり、その結果自分の身を投げ出すという行動に出ました。

【子どもと『つきのうさぎ』を楽しむ時のポイント】

「自分の体を食べてもらおうと自ら火に飛び込む」という衝撃的な行動自体ではなく、うさぎの気持ちに着目することがポイントです。

うさぎの行動はとても真似できるものではありません。しかし、「どうしてこのような行動に出たのか」といううさぎの気持ちを想像していくと、驚きの行動も理解しやすくなるでしょう。

つきのうさぎのポイント

「うさぎさんは自分のことよりも『相手のことを助けたい』という思いが強かったんだね。」
「もし自分だったら、おじいさんにどんなことをしてあげたいかな?」
「困っている人を助けようとしたことはあるかな?」

自分のなかにある思いやりの心にも気づいていけるように促していきましょう。

【絵本で楽しむならこちら】

つきのうさぎ出典:Amazon

タイトルつきのうさぎ
出版社金の星社
価格(税込)1,650円
子どもの成長を促す「うさぎの昔話絵本」をお探しなら「昔ばなし絵巻」
昔話に出てくるうさぎはさまざまな役回りをとおして、わたしたちに物語の面白さや普遍的な学びを伝えてくれています。

子どもの成長を願ってうさぎの昔話を取り入れるのであれば、EVO出版の「昔ばなし絵巻」がおすすめです。

【おすすめの理由①:教訓性を大切に作られているから】
昔ばなし絵巻が昔話の教訓性を大切にするのは、昔話から得られる学びが子どもの道徳観念や倫理観を育むと考えているからです。

これまでの日本では、昔話をつうじて「大欲をかかない心」や「助け合いの心」といった道徳の基礎となる豊かな心を学んでいました。

「核家族化や地域コミュニティの希薄化が進む現在の日本社会だからこそ、子どもたちに昔話を読んでほしい」

このような思いから、子どもたちに伝えるべき教訓性に注目して、選りすぐった昔話を絵本化しています。うさぎとかめ、いなばのしろうさぎ
【おすすめの理由②:暖かく柔らかいタッチのイラストだから】
昔ばなし絵巻では、今どきの子どもたちにも違和感なく手に取ってもらえるように、挿絵のタッチにもこだわっています。

どんなに子どもの学びになる昔話であっても、昔話独特の「暗い」「怖そう」といったイメージをまとった絵本であれば、子どもたちは「読んでみよう」と思えないでしょう。

昔ばなし絵巻のイラストは、すべて手書きで制作されています。登場人物は、柔らかくどこか可愛らしい表情に描かれているため、悪役であっても憎めない親しみやすさを感じられます。
昔ばなし絵巻

「自分が子どものときに読んでいたうさぎの昔話を読み聞かせしたいけど、興味をもってもらえるかな?」
「子どもにもわかりやすい学びがあって、暖かみのある昔話をプレゼントしたい」

このような方は、昔ばなし絵巻シリーズをぜひお試しください。

2.うさぎが出てくるマイナーな昔話9作品

月とうさぎ

うさぎが出てくる昔話は、前章で紹介した有名なものだけではありません。

つづいては、初めて知る方も多いであろうマイナーな昔話を9つご紹介します。

タイトル主な内容
がまとうさぎのもちあらそい欲張りうさぎととがまがえるのお餅をめぐる競争
うさぎのみみはなぜながい神様に願いを叶えてもらうため、知恵と勇気を振り絞って大胆な行動に出るうさぎの物語
ノウサギのムトゥラ小賢しいノウサギのムトゥラが、動物たちを相手に面白おかしく対峙する
あわてんぼうウサギ臆病で心配性なうさぎの早とちりによって、森の動物たちを大勢巻き込む大騒動に
きつねとうさぎうさぎの家を奪った横暴なきつねにさまざまな動物たちが順に立ち向かっていくお語
うさぎの角立派な角をみんなに見せびらかすうさぎは、最後にはシカに角をとられてしまう
うさぎと太郎うさぎが太郎と爺さまのおかゆを横取りし続けた結果、しっかり仕返しを受けることに
うさぎとくまくまを殺してお金儲けしようとするうさぎと、騙されやすいくまの攻防戦
うさぎとおさる姫お月様にお餅をあげたいうさぎたちに、正体を偽ったずる賢いサルが忍び寄る

マイナーな昔話であっても、それぞれ個性の異なるうさぎが活躍し、さまざまな学びを与えてくれます

読みたくなる昔話を見つけられるように、どのようなうさぎが出てくるのか、得られる学びや楽しむ時のポイントなどをそれぞれチェックしていきましょう。

2-1.独り占めを企むうさぎが結局は損する『がまとうさぎのもちあらそい』

『がまとうさぎのもちあらそい』は、「餅争いー餅ころがし型」と呼ばれる昔話の型に分類され、似たようなストーリーの昔話が日本各地で伝承されています。

【あらすじ】
山のてっぺんで出会ったがまがえるとうさぎは、一緒にお餅つきをすることにしました。

お餅をどうしても独り占めしたくなったうさぎは、山の上から臼を転がし、先に餅を取ったほうが全部食べようと提案します。

うさぎが先にふもとまで転がった臼に追いつきますが、お餅は途中で木に引っかかっていて、臼の中は空っぽでした。

この物語では、欲張りでずる賢いうさぎと、おっとりマイペースながまがえるによる、お餅を巡る競争が描かれています。

物語から学べること

うさぎはお餅を独り占めしようと悪だくみしたせいで、結局は一口も食べられないという残念な結果を招きます。わかりやすいストーリーのため、「欲張るとろくな結果にならない」ということが幼い子どもでも楽しみながら理解できるでしょう。

【子どもと『がまとうさぎのもちあらそい』を楽しむ時のポイント】

食べ物を分け合う機会は日常生活でもよく起こるため、「はじめから半分ずつ分け合っていれば、二匹ともお餅を食べられていたのに」と子どもながらに容易く想像できそうですね。

「がまがえるくんは全部ひとりで食べちゃったけど、自分だったらどうしていたかな?」とさらに想像を膨らましてみると、思いやりの心も育めます。

【この絵本で楽しめます】

がまとうさぎのもちあらそい出典:Amazon

タイトルがまとうさぎのもちあらそい
出版社くもん出版
価格(税込)693円

2-2.願いを叶えたいうさぎの豪胆さに驚かされる『うさぎのみみはなぜながい』

うさぎの耳がどうして長いのかの由来を伝えるのが、メキシコ民話の『うさぎのみみはなぜながい』です。

【あらすじ】
体が小さくいじめられていたうさぎ。

神様に「自分の体をもっと大きくしてほしい」とお願いすると、「とら、わに、さるを自分の手で殺して皮をはいで持ってくること」を条件に出されます。

うさぎは途方に暮れながらも、願いを叶えるために知恵と勇気を振り絞ってとらたちの皮をはぐことに成功。ところが神様は意外な判断を下します。

一般的には小さくてかわいらしいイメージのうさぎですが、この昔話では自分の願望実現のためには一切容赦しない潔さに驚かされるでしょう。

はじめは弱気だったうさぎですが、自分の強みである知恵や行動力を活かして強い動物に打ち勝つにつれ自信がつき、最後には少し得意気な様子で神様に報告に行きます。

しかし神様は、「利口ですばしっこいうさぎに大きな体まで授けてやると、森中の獣をいじめてしまう」と言って、うさぎの耳を掴んで遠くに投げ飛ばしてしまうのです。

物語から学べること

うさぎの残酷な行動や神様の理不尽な判断は、読み手に面白さや恐怖、疑問といったさまざまな感情を湧き上がらせるでしょう。

そして、「知恵の働くうさぎの体は大きくするべきでない」という神様の判断は、多様な生き物の共存には生態系のバランスを壊してはならないという自然界の摂理を表しているとも受け取れます。

【子どもと『うさぎのみみはなぜながい』を楽しむ時のポイント】

受け手によって感じ方がさまざまで、なんともいえない感情が残る物語といえるので、受けた印象を言葉にできるように感想を引き出してみると面白いでしょう。

「うさぎさん、はじめは弱気だったけど最後にはどうだったかな?」
「神様はうさぎとの約束を破ったことになるけど、どう思う?」

自由な感想を出し合って、物語への理解を深めてみましょう。

【この絵本で楽しめます】

うさぎのみみはなぜながい出典:Amazon

タイトルうさぎのみみはなぜながい
出版社福音館書店
価格(税込)1,320円

2-3.賢いうさぎがアフリカの強い動物たちを出し抜く『ノウサギのムトゥラ』

南部アフリカに暮らすツワナ人には、大きくて力が強い動物たちを賢いノウサギが出し抜く昔話が伝わっています。

『ノウサギのムトゥラ』という児童書には、そんなツワナ人に伝わる昔話を南アフリカで育った作者が再話した8つの物語が集まっています。

たとえば、一話目の『ゾウとカバのつなひき』では、ムトゥラが「自分が勝つに決まっている!」とゾウとカバを挑発して綱引きを挑んでいきます。

『ゾウとカバのつなひき』のあらすじ
ゾウに仕返しをしたいムトゥラは、綱引きでの勝負を持ち掛けます。

ゾウと約束したのち、ムトゥラは茂みの向こうにいるカバにも綱引き勝負を申し込みます。そして、ゾウとカバに長い綱を渡し、茂みでお互いが見えない状態にして勝負をスタートさせるのです。

綱引きの相手をムトゥラだと思い込んでいるゾウとカバは、綱を必死で引き合います。

ゾウとカバが「小さなノウサギには負けるわけにはいかない」と奮闘する様子を、ムトゥラは陰からこっそりとのぞき見して楽しむのでした。

物語から学べること

自分よりも大きくて強い動物たちを相手に面白おかしくピンチを切り抜けていくムトゥラですが、知恵を働かせて人助けをするシーンも出てきます。

小賢しい厄介者である一方、物事を良い方向に切り開いてくれることもあるムトゥラから、人や物事の一面だけで良し悪しを判断してはいけないことを感じられるでしょう。

【子どもと『ノウサギのムトゥラ』を楽しむ時のポイント】

『ノウサギのムトゥラ』には、1話で完結する物語が8つ収録されているため、幅広い年齢のお子様に合わせた楽しみ方ができます。

  • 5、6歳~8歳頃は「読み聞かせ」
    1話で完結しているから読み聞かせしやすい
  • 8、9歳以上は「自分で読む
    8つの物語同士が関連しているため、続けて読むと一つの長編物語のように楽しめる

長い本に苦手意識を感じているお子様でも、ユーモラスで短いお話が集まったこの本なら、抵抗なく読み進めやすいでしょう。

【この絵本で楽しめます】

ノウサギのムトゥラ出典:Amazon

タイトルノウサギのムトゥラ
出版社岩波書店
価格(税込)1,760円

2-4.心配性なうさぎが引き起こす大騒動『あわてんぼうウサギ』

『あわてんぼうウサギ』は、お釈迦様の前世の物語として仏教の教えが説かれたインドの昔話集であるジャータカ物語の1つです。

【あらすじ】
お釈迦様が森の王様ライオンだった頃。

「ドッダダッドーン」というものすごく大きな音で昼寝から飛び起きたうさぎは、「世界が壊れる音だ!」と大騒ぎして逃げ出します。

世界が壊れるという噂は森の動物たちへ広がり、しまいには10万匹の動物たちが逃げ出す大パニックに。

騒動を食い止めた王様ライオンは、真実を追究していきます。

王様ライオンが動物たちに尋ねていくと、臆病で心配性なうさぎによる早とちりが森中を巻き込む大騒動を招いたことが判明します。

物語から学べること

王様ライオンの行動からは、「物事は、正しく自分の眼で見定めなければならない」ことを感じられるでしょう。

事実を自分の目で確認せずに、「そうにちがいない」「みんながそうしているから」と思い込みだけで判断してしまうと、大きな過ちを犯してしまうことが学べます。

【子どもと『あわてんぼうウサギ』を楽しむ時のポイント】

物事の真実を自分の目で見定めるにはどうしたらよかったのかを、子どもと一緒に考えてみましょう。

「王様ライオンは音が鳴った場所を実際に見にいったんだね。」
「なにか情報を聞いても、誰が言い出したことなのかわからないのなら、それは本当のことじゃないかもしれないね。」

現在の情報化社会においても大切な考え方になるため、ネットやSNSとの付き合い方に当てはめてみても面白いかもしれませんね。

【この絵本で楽しめます】

あわてんぼうウサギ出典:Amazon
※2025年10月現在、定価での取り扱いはKindle版のみ

タイトルあわてんぼうウサギ
出版社小学館
価格(税込)Kindle版 1,386円

2-5.きつねに家を奪われたうさぎのために動物たちが奮闘『きつねとうさぎ』

ロシアの昔話である『きつねとうさぎ』には、理不尽に家を奪われたか弱いうさぎが登場します。

【あらすじ】
横暴なきつねに家を奪われてしまったうさぎが泣いていると、かわるがわるやってきた動物たちがきつねを追い出そうと立ち向かってくれます。

ところが、おおかみも熊も牛も、きつねの恐ろしい形相に追い返されてしまいます。

最後にやってきたのはおんどりです。剣をもち勇ましい掛け声とともにきつねに対峙していきます。

自分の力だけではどうしようもできずに困っているうさぎを、大きくて強くい動物たちが助けようと奮闘しますが、結局うさぎを助けられたのは小さなおんどりでした。

物語から学べること

おんどりのように「剣のうまさ」や「勇気」といった強みを活かして、相手の弱点を狙って立ち向かうと、小さく弱いものでも勝算を見出だせるということを感じられます。

【子どもと『きつねとうさぎ』を楽しむ時のポイント】

昔話によくある「繰り返し」を楽しみましょう。おおかみ、熊、牛が順にきつねを追い出そうと試みては追い返されるという同じパターンの繰り返しが、物語の面白さやリズム感を作り出しています。

また、「きつねがおんどりを恐れて逃げ出した」という意外な結末は、納得ができないお子様もいるかもしれません。

「どうしてきつねは体の大きなおおかみたちよりもおんどりのほうが怖かったのかな?」というように、おんどりの勝因を自由に想像してみると楽しめるでしょう。

【この絵本で楽しめます】

きつねとうさぎ出典:Amazon

タイトルきつねとうさぎ
出版社福音館書店
価格(税込)1,320円

※2025年10月時点では中古のみの販売となっています。

2-6.うさぎの目が赤い理由がわかる『うさぎの角』

古くから伝わる日本の昔話のなかには、うさぎの目が赤い理由を伝えているお話もあります。

【あらすじ】
大きくて立派な角をいつもみんなに自慢していたうさぎ。

まだ当時は角がなかった鹿は、うさぎの自慢を聞いて角がうらやましくなり、「本当に立派な角だ。少しだけ貸してくれないか」と頼みます。

うさぎが角を貸したところ、鹿はうさぎが追いかけてこられない川に飛び込み逃げてしまいました。

自分がもつ立派な角をいつも得意気に見せびらかす自慢屋なうさぎでしたが、角をとった鹿を泣きながら探し回ったため、その時からうさぎの目は赤くなってしまったそうです。

物語から学べること

うさぎのように、自分の持ち物や得意なこと、実績などをむやみにアピールしてしまうと、人から妬まれてよくない結果を招くこともあるでしょう。

「自慢はほどほどに」という教訓が込められているとも捉えられますね。

【子どもと『うさぎの角』を楽しむ時のポイント】

「うさぎさんみたいに、自分のすごいところを誰かに威張ったことはあるかな?」
「誰かが自慢話をしているのを聞くと、どんな気持ちになりそう?」

このような会話をとおして、自慢が人の気持ちを不快にさせることもあると、少しずつ気づいていけるといいですね。

【この動画で楽しめます】

2-7.太郎をだまし続けたいたずらうさぎが尻尾を切られてしまう『うさぎと太郎』

岩手県の昔話として伝承されている『うさぎと太郎』では、昔は長かったうさぎの尻尾がどうして短くなったのかを伝えています。

「まんが日本昔ばなし」の題材にもなっていたため、記憶に残っている方もいるかもしれません。

【あらすじ】
尻尾が長かったうさぎは、爺さまと太郎が住む家を訪れては、太郎を言葉巧みに騙して夕飯のおかゆを横取りしていました。

とうとう、うさぎの悪だくみのせいでうさぎの小便を飲まされてしまった爺さま。鉈(なた)を振り回して怒り狂います。

爺さまがぶん投げた鉈は木に跳ね返り、うさぎの長い尻尾をスパンとちょんぎってしまいました。

いたずら好きでずる賢いうさぎがあの手この手で太郎を騙し続けますが、最終的には爺さまに尻尾を切られてしまいます。

あまりの痛みに何日も山の中を泣きながら走り続けたことから、うさぎの目は赤くなり、後ろ足は長くなってしまったそうです。

物語から学べること

欲張りで意地悪なうさぎが見事に仕返しをされるというスカッとする結末から、「悪いことをしたら懲らしめられる」という勧善懲悪を学べるでしょう。

【子どもと『うさぎと太郎』を楽しむ時のポイント】

悪事は懲らしめられることだけでなく、周囲との調和を図る方法や適切な関わり方まで考えていけるといいですね。

「やっぱり悪いことをしたら自分に返ってくるんだね」
「うさぎは太郎を騙すのではなく、どんなことをしたらおかゆをわけてもらえていたんだろう?」

といった問いかけをして、よりよい行動を考えるきっかけを作りましょう。

【この動画で楽しめます】

2-8.お金儲けしたい横着なうさぎの失敗談『うさぎとくま』

うさぎの目が赤くなった由来は、『うさぎとくま』でも描かれています。

「楽にお金儲けしたい」と考える強欲なうさぎが、素直な熊を何度も騙し、自分の思いどおりに物事を進めていこうとする物語です。

【あらすじ】
横着で怠け者なうさぎは、山道を歩くを見て「熊のお腹のなかにある熊の胆(くまのい)を取って金儲けしよう」と思いつきます。

うさぎがさまざまな手で熊を騙して倒そうと仕掛けますが、熊は騙されるもののしぶとく生き残ります。

最後には、うさぎは怒った熊に捕まえられ、耳を縛られ宙吊りにされるという仕返しを受けてしまいました。

※熊の胆:熊の胆のうのこと。古くから生薬として利用されている。

宙吊りにされたうさぎは、そのまま三日三晩泣き続けたため、うさぎの耳は長くなり目は赤くなったそうです。

物語から学べること

うさぎの「自分は働かずにお金儲けしたい」という欲望は、人間なら誰もが一度は抱くものですよね。

しかし、その欲望を実現するために周囲に犠牲を強いてしまったため、自分に報いが返ってくるという「自業自得」な結果となってしまいました。

【子どもと『うさぎとくま』を楽しむ時のポイント】

「うさぎさんはせっかく賢い頭があるのだから、もっと人の役に立つお金儲けを考えたらいいのにね」

といったように、「自分も周囲も喜ぶ方法で、自分の欲望を実現できないか考える」ことを子どもと一緒に試してみると、さらに楽しめそうですね。

【この動画で楽しめます】

2-9.さるに騙されたうさぎが見事に仕返しする『うさぎとおさる姫』

『うさぎとおさる姫』は、うさぎがお月様を慕っていることや、さるのお尻が赤い理由を知れる物語です。

【あらすじ】
ある満月の夜、山の上で2匹のうさぎがお月様を思って餅つきをしていました。

そこに現れたのは「お月様の使いのおさる姫」と名乗る姫。うさぎたちはお餅を月に届けてもらおうと臼ごとお姫様に渡します。

山を降りる途中で、お姫様は変装を解いてさるの姿に戻ります。餅を騙し取られたと知ったうさぎたちはさるを追い詰めます。

お月様が好きな心優しい2匹のうさぎですがお月様に餅を届けると嘘を付いたさるに対しては容赦しません。

さるを捕まえたうさぎは、さるを思い切り蹴飛ばします。お尻をぶつけながら山を転がり落ちたさるは、お尻が赤くなってしまったそうです。

物語から学べること

「お月様を大切に思ううさぎは無事にお餅を取り返せて、人を騙そうしたさるは山を転がり落ちてお尻が赤くなる」というストーリーからは、因果応報や自業自得をわかりやすく実感できるでしょう。

【子どもと『うさぎとおさる姫』を楽しむ時のポイント】

うさぎたちが歌いながらお餅をついているシーンや、さるのおしりを「エイッ」と蹴飛ばすシーンなど、一緒に声を合わせてみると盛り上がりそうですね。

【この動画で楽しめます】

実は、昔話に出てくるうさぎは「ずる賢い」性格のものが多い!

長い耳やつぶらな瞳、丸みのあるフォルムといったうさぎの見た目からは、可愛らしくおとなしそうな印象を抱く方も多いかもしれません。

しかし、ここまででご紹介した昔話からもわかるように、昔話に出てくるうさぎは、実はいたずら好きでずる賢い性格に描かれているものも多いのです。

今回ご紹介した昔話において、登場するうさぎの性格をおおまかに分類してまとめると以下のようになります。

昔話に出てくるうさぎは「ずる賢い」

昔話に出てくるうさぎは、「悪だくみや自慢が多いものの、どこか抜けていて最後には痛い目にあう」といった憎めないキャラクターが多いといえるでしょう。

このようなうさぎのように、「利口ないたずら者」は世界各国の民話や神話によく登場し、「トリックスター」と呼ばれています。

トリックスターは、既存の社会秩序をかき乱す存在でありながら、新たな価値を作り出す役割を果たしています。世間に騒動や笑いを巻き起こしてくれるため、物語の変化や面白さを生み出す重要な存在なのです。

トリックスターとして昔話に登場することが多いうさぎは、周りを困らせる厄介者でありながらも、どこか憎めない一面をもつ存在として愛されて続けているといえるでしょう。

3.まとめ

うさぎが出てくる昔話を、有名なものからマイナーなものまで紹介しました。

ジャンルタイトル
うさぎが出てくる有名な昔話4作品かちかちやま
うさぎとかめ
いなばのしろうさぎ
つきのうさぎ
うさぎが出てくるマイナーな昔話9作品がまとうさぎのもちあらそい
うさぎのみみはなぜながい
ノウサギのムトゥラ
あわてんぼうウサギ
きつねとうさぎ
うさぎの角
うさぎと太郎
うさぎとくま
うさぎとおさる姫

昔話に登場するうさぎは、小さくて力が弱いながらも頭の良さを活かして良くも悪くも大活躍してくれます。悪さをした結果懲らしめられることも多い存在ですが、どこか憎めないかわいらしさももっています。

この記事で紹介した楽しむ時のポイントを取り入れて、うさぎの昔話から古来言い伝えられてきた学びを得ていきましょう。

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寝る前の読み聞かせで、やさしさや思いやりが自然と身につく。
忙しい日々でも、親子で心を通わせる時間が生まれます。
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