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【vs紙の絵本】デジタル絵本って実際どう?発達への影響度を比較

タブレットを見る母と子

「デジタル絵本って実際のところ子どもに触れさせてもいいものなの?」

「紙の絵本とデジタル絵本は、何が違う?」

スマホを子どもに見せることの周囲からの目線や、育児をしていないと思われる罪悪感で、本当は使いたいけれど、抵抗感を感じてしまっていませんか?

結論、デジタル絵本には、目立った悪影響はありませんが、おすすめしづらい理由があります。

なぜなら、紙の絵本で読み聞かせする場合と比べると親子間のコミュニケーションは低下しやすく、メリット・デメリットを比べると五分五分なので、デジタル絵本がおすすめとは言い難いのです。

とはいえ、少しでも育児が楽になり、移動中や待ち時間も子どもを飽きさせないようにしたいと考える保護者の方にとって、デジタル絵本の手軽さや便利さは大きな魅力ですよね。

デジタル絵本を使うことに対して、抵抗感や罪悪感を抱えながらも、なんとか上手に取り入れたいと思っている方も少なくないはずです。

そこで本記事では、絵本と比較した時の、デジタル絵本が与える子どもへの影響などを詳しく解説します。

実際にデジタル絵本を使っている人の肯定的な意見も交えつつ、デジタル絵本との上手な付き合い方についても紹介するので、

「デジタル絵本を使ってもいいんだと納得した上で使いたい」

「子どもへの影響を理解した上で、デジタル絵本を使うかどうかを判断したい」

このように考える人の判断材料になると幸いです。

1.デジタル絵本は極端に悪影響があるわけではないがおすすめしにくい

タブレットのイメージ

結論から言うと、デジタル絵本が紙の絵本に比べて、子どもの発達に極端にネガティブな影響を与えているとは言えませんが、「おすすめ」とも言えません。

冒頭でもお伝えした通り、デジタル絵本ならではのメリットはありますが、親子間のコミュニケーションの低下やイマジネーションを膨らませづらいなどのデメリットがあるからです。

デジタル絵本のメリット・デメリット

実際に、Navitが行った調査によると、「絵本をどのような方法で読むことが最も多いですか?」という質問に対して「デジタル絵本」と回答した数は1.1%という結果となっています。

(出典:Navit「子どもの頃に読んでいた?絵本について!」)

そのため、

・紙の絵本をやめて、すべてデジタル絵本に変えたい

・(読み聞かせできる時間があるのに、)子どもひとりで遊ばせるためにデジタル絵本を与える

このように考えている人には、デメリットを踏まえるとおすすめしづらい状況です。 

2.紙の絵本と比べたデジタル絵本のデメリット

タブレットを見る男の子デジタル絵本と紙の絵本を比較したとき、極端な悪影響はないとお話しました。

ですが、デジタル絵本は使い方やタイミングを間違えると、親子関係や発達・成長に対して、ネガティブな影響を与える可能性があります。

大きな差につながりやすいデメリットは、以下の4つです。

・親子関係を深めるやり取りが減る

・新しい語彙の習得が難しくなる

・効果音や動きが没入感を高めるため、想像力が育ちにくい

・毎日寝る前に使うことで睡眠の質に影響する

デジタル絵本を活用する際は、これらの違いを理解して工夫することが求められます。

次項以降で、各デメリットと対処法について解説します。

2-1.親子関係を深めるやり取りが減る

デジタル絵本は、特性上、親子の対話や触れ合いの機会が減少しやすいという大きな課題があります。

デジタル絵本は、デバイスが読み聞かせを行うケースが多く、紙の絵本のように親と子が自然に体を密着させたり、顔を近づけたりする機会が少なくなりやすい傾向があるからです。

紙の絵本とデジタル絵本の違いのイメージ

紙の絵本は、絵本の内容についての自然な会話が生まれやすい環境があります。

この「親子の間で自然な疑問や共感が生まれ、言葉のキャッチボールを活発に行うこと」は、子どもの発育において、非常に重要な親子の関係を深めるやり取りです。

一方でデジタル絵本は、デジタルという特性上、音声が自動で再生されたり、子どもが画面のタップや動かすことに集中したりしやすく、親子の間で自然な会話や触れ合いが生まれにくい傾向があります。

このように、デジタル絵本は、親子のコミュニケーションの機会が減少し、絵本を通じた絆を深めづらいことから、紙の絵本と比較すると大きなデメリットとなるでしょう。

2-2.新しい語彙の習得が難しくなる

デジタル絵本は、子どもの新しい語彙の習得を複雑にしてしまう大きな課題があります。

デジタル絵本ではデバイスが読み聞かせを行うケースが多く、機械による一方的な情報提供では双方向のやり取りがないからです。

紙の絵本とデジタル絵本の違いのイメージ

子どもは、年齢差のある親(大人)との会話や子どもの反応に合った抑揚・読み方を通して、たくさんの語彙に触れ、意味が分からなければ質問をしてその意味を文脈の中で深く理解し、語彙力を高めていきます。

ですが、デジタル絵本の場合、子どもはただ話を聞く=情報を受け取るだけの受動的な状態になりがちです。

言葉を覚えるという点においては、デジタル絵本も優れていると言えますが、「わからないことを聞く」という双方向のコミュニケーションの機会が減ることで、語彙の習得が難しくなる可能性があります。

2-3.効果音や動きが没入感を高めるため、想像力が育ちにくい

デジタル絵本の動きやシーンに合った効果音(以降、インタラクティブ機能)などは、各シーンに臨場感やリアリティを与えてくれるため、一見すると魅力的ですよね。

ですが、想像しなくても物語の世界を具体的に表現してくれることから、逆に子どもが自ら想像力を働かせる機会を奪い、結果として想像力の発達を妨げる可能性があります。

紙の絵本とデジタル絵本の違いのイメージ

紙の絵本の目に見える情報では足りない部分を補完する」という能動的な思考プロセスは、豊かな想像力を育む上で非常に重要となります。

しかしデジタル絵本の場合、子どもは視覚的・聴覚的な情報として、アニメーションや効果音を受け取るだけの受動的な体験になりがちです。

さらに画面上のインタラクションに注意が奪われやすく、物語そのものへの没入が浅くなり、物語の世界を深く理解したり、自分なりのイメージを膨らませる機会が減少する可能性があるのです。

デジタル絵本のインタラクティブ機能が、想像力につながる「余白」を埋めてしまうため、想像力を促すという部分においては、むしろデメリットとなる可能性があります。

2-4.毎日寝る前に使うことで睡眠の質に影響する

寝る前に絵本を読むのは良い習慣のひとつと言われていますが、毎日寝る前にデジタル絵本を使用する習慣は、子どもの睡眠の質を低下させる直接的な要因となりえます。

スマートフォンやタブレットなどのデバイスから発生したブルーライトの光に、夜になると自然と眠気を誘うメラトニン(ホルモンの一種)の分泌を抑制する働きがあるからです。

紙の絵本とデジタル絵本の違いイメージ

夜にデジタル絵本を見ることで、メラトニンが抑制されると、体が夜だと認識しづらくなってしまい、結果として寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりする可能性があります。

また、デジタル絵本は、音や光の点滅など、さまざまな刺激がありますよね。これらの刺激は、寝ようとしている子どもの脳を活性化させ、リラックスして眠りにつくのを妨げてしまう要因になるでしょう。

このように、寝る前に毎日デジタル絵本を見ることが、逆に子どもの自然な睡眠サイクルを乱れさせ、結果的に睡眠の質に影響する可能性があるのです。

3.使用者の声からみるデジタル絵本のメリット

 

デジタル絵本と紙の絵本を比べてきましたが、デジタル絵本は使い方次第です。

利便性や紙の絵本では難しい音や動きによる体験ができ、ポジティブな面もあります。

ここでは、実際にデジタル絵本を使っている人の声をご紹介します。

・ケース①絵本に興味がない子も集中して読んでくれる

アニメーションや音が出るので、子どもが飽きずに集中してみてくれる。普段あまり絵本に興味を示さないけれど、デジタル絵本だとくいついてくれる!

・ケース②手のひら図書館の感覚で使える

旅行や帰省の際に、何冊も絵本をもっていかなくて済むのが本当にラク!スマホやタブレット1つでたくさんの絵本が読めるので、移動が格段にラクになった!

・ケース③多様な言語の絵本を見聞きできる

普段なら手に取らないようなジャンルや海外の絵本、少し古い名作など、幅広い絵本を楽しめるのはデジタル絵本の魅力!
子どもの新しい興味も発見できた!

デジタル絵本ならではの利便性や子どもが夢中になるなどの意見が多く見られます。

このように、携帯性、豊富なコンテンツ、そして子どもの興味を引き出す機能面から、多くの保護者がデジタル絵本を活用しています。

デジタル絵本ならより深い理解を促す可能性も

文部科学省の音声教材に関する資料でも、何らかのアクションや変化が起こるインタラクティブな要素や音声ガイドは、視覚と聴覚が同時に刺激され、より深い理解を促す可能性があると報告されているのです。

外国語学習においても、多言語対応のデジタル絵本が、ネイティブスピーカーの発音を聞きながらストーリーを楽しむ機会につながるだけでなく、言語習得のサポートをしてくれます。

文部科学省の例は、主に学習教材としての音声教材ではありますが、「視覚と聴覚から同時に情報を得ることで、内容理解がしやすい」点は、デジタル絵本にも共通する内容です。

子どもの発達においてポジティブな影響をもたらす可能性があるでしょう。

4.デジタル絵本を使うなら紙の絵本との使い分けがおすすめ

本とタブレットのイメージ

ここまでお伝えしてきた通り、デジタル絵本と紙の絵本にはそれぞれ異なるメリット・デメリットがあります。デジタル絵本を使うときは、紙の絵本とうまく使い分けましょう。

両者のメリット・デメリットを互いに補うことで、子どもの発育をうまくサポートできるからです。

デジタル絵本と紙の絵本の使い分けが大事な理由

詳しく見ていきましょう。

4-1.過度なデジタル依存を防げる

デジタル絵本と紙の絵本をうまく使い分けることで、子どもの過度なデジタル依存を防ぐことにつながります。

デジタル絵本だけを利用すると、お伝えしたデメリットの通り、親子関係を深めるやり取りや語彙の習得、想像力の発達にネガティブな影響を与える可能性があるからです。

特に、自動読み上げ機能やシーンに合った効果音などにより、子ども自らが想像したり考えたりする機会が少なく、受け身になりがちです。

受け身で絵本を見続けていると、派手な演出や機能に慣れてしまい、「動かない紙の絵本をつまらない」と感じて、ますます紙の絵本離れが進んでしまう可能性もあります。

それでは、創造力や語彙力などを促進することができません。

そのため、主体的に読み進める紙の絵本もうまく取り入れ、過度なデジタル依存を防ぎながら、集中力や想像力を養うことが大切です。

4-2.併用することで親の負担が減る

紙とデジタルを併用することで、場所やシーンに合った柔軟な使い分けが可能になり、親の負担を減らすことができます。

絵本をたくさん持ち歩きたいけれど、小さな子どもとの外出は着替えやお世話グッズなど、荷物が多くなりがちで、子どもの好きな本をすべて持っていくのは難しいですよね。

そのようなときは、お気に入りや持ち運びに便利な本とデジタル絵本を併用して、シーンや状況に応じて使い分けましょう。

移動中
待ち時間

デジタル絵本がおすすめ!

持ち運びしやすい+子どもの注意をそらせる

寝る前

落ち着いた時間

紙の絵本がおすすめ!

外出時の移動中や待ち時間などの隙間時間は、サッと取り出して使えるデジタル絵本が便利です。子どもがぐずってしまった際にも、興味を引く音やアニメーションで注意をそらすこともできます。

逆に寝る前や落ち着いた時間は、刺激が少なく、親子で対話を楽しめる紙の絵本が向いています。

さらに薄くて大きすぎないサイズ感であれば、お気に入りを数冊持ち歩くだけで済むので、持ち運びの負担も少なくなります。

このように、場所や生活シーンに合わせて紙の絵本とデジタル絵本をうまく使い分けることで、子どもの読書習慣に多様性と質をもたらすことができます。

持ち運び&読み聞かせなら「昔ばなし絵巻」

厚みが薄く、持ち運ぶ際にも場所を取りづらい絵本なら、ぜひ「昔ばなし絵巻」をお選びください。

「昔ばなし絵巻」では、寝る前の読み聞かせにぴったりの柔らかいタッチの絵本がそろっています。

出典:昔ばなし絵巻

行間があり、読みやすいだけでなく、読み聞かせるときの「読み聞かせポイント」を案内しています。

なかなかうまく読めないというお母さん、お父さんでも、しっかりとストーリーを伝えることができますよ。

出典:昔ばなし絵巻

子どもの優しい気持ちを育むためにも、ぜひ心温まるエピソードが多い昔ばなしに触れてみてはいかがでしょうか?

4-3.発達のバランスが取れる

デジタルと紙の絵本の両方を取り入れることは、子どもの心や頭などのさまざまな発達のバランスを維持するのに役立ちます。

デジタルの持つ「視覚と聴覚に訴える力」と、紙の絵本の持つ「五感で感じる温かさ」を組み合わせることで、物語をより多角的に楽しむことができるからです。

例えば、デジタル絵本で美しい音楽やアニメーションを楽しみ、物語の世界に興味を持った後に、同じお話の紙の絵本を読んでみてはどうでしょう?

紙の絵本ならではの温かい色彩や手触り感があり、1シーンを切り取った描写から、アニメーションとは異なる想像につながる可能性があります。

どちらか一方ではなく、デジタル絵本と紙の絵本をうまく使い分け、相乗効果で想像力や共感力をさらに育みましょう。

デジタル絵本と紙の絵本の違いによる内容理解の差はない

デジタル絵本に対して抵抗を感じる方は少なくありませんが、国内外の各機関の研究により、デジタルと紙で子どもの内容理解に差がないことがわかっています。

文部科学省の「令和4年度 子供の読書活動の推進に関する有識者会議(第2回)」を例に挙げると、

・タブレット端末を用いて読み聞かせを行ったグループ

・紙の絵本を用いて読み聞かせを行ったグループ

この2つの間で、物語の登場人物やあらすじに関する理解度を比較する実験が行われましたが、子どもの内容理解に差が見られなかったそうです。

そのためデジタル絵本と紙の絵本のそれぞれの良い点をうまく取り入れることが、子供の内容理解を深めるポイントと言えます。

5.デジタル絵本を使うときの注意点

チェックリストを作成するイメージ

最後に、デジタル絵本を使うときの注意点を解説します。

以下を必ず守って、使用しましょう。

使い方

・子どもと一緒に使う

・絵本の内容や感想を共有する時間を設ける

・アニメーションや効果音が少ないものを選ぶ

使う時間

外出時30分以内

※家では基本使わない。とくに、寝る前の使用は控える

その他

・ナイトモードやブルーライトカット機能で目の負担を減らす

使用時は、お子様だけがデジタル絵本を見ている状態にせず、紙と同じく親子で楽しく見てくださいね。

6.まとめ

いかがでしたか?

デジタル絵本を使っている人は少数派ですが、紙の絵本と比べて悪影響というわけではないことをお判りいただけたと思います。

◯デジタル絵本のデメリットは、以下の4つです。

・親子関係を深めるやり取りが減る

・新しい語彙の習得が難しくなる

・効果音や動きが没入感を高めるため、想像力が育ちにくい

・毎日寝る前に使うことで睡眠の質に影響する

◯デジタル絵本ならではの体験やメリットがあり、紙の絵本には興味を示さない子どもが集中して絵本を楽しむきっかけにもなりえます。

◯デジタル絵本を使うなら紙の絵本との使い分けがおすすめです。

デジタル絵本で子どもの興味関心を聞きつつ、一緒に遊ぶときや寝る前には紙の絵本で子どもとの双方向のコミュニケーションを取るなど、デジタル絵本と紙の絵本の良い部分で補いあって、バランスを取りましょう。

1日5分。親子の“心育て”習慣、はじめてみませんか
寝る前の読み聞かせで、やさしさや思いやりが自然と身につく。
忙しい日々でも、親子で心を通わせる時間が生まれます。
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