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因幡の白兎は結局何が言いたい?真のメッセージを究明

大国主命と白兎

「因幡の白兎のあらすじはわかるけど、何が言いたいかよくわからない⋯」

この記事を読んでいるあなたは、教科書を読んだ子どもに「これってどういう意味?」「わかりやすく教えて」と聞かれて困惑しているのではないでしょうか。

因幡の白兎が何を言いたいか、結論からお伝えすると「因果応報」を伝える物語です。

物語では、「因果応報」として2つ上げられるシーンがあります。

物語の前半:白兎に対する”悪い因果応報”
物語の後半:大国主命(おおくにぬしのみこと)に対する”良い因果応報”

「因幡の白兎が伝えているのは因果応報」の図

しかし、因幡の白兎が伝えているのはそれだけではありません。

この他にも、子どもたちに道徳心として伝えたい、教訓をたくさん教えてくれる物語です。

そこでこの記事では、因幡の白兎が物語全体を通して伝えたい教訓をわかりやすく解説いたします。

また、記事の中には子どもに伝える時におすすめの伝え方も合わせてご紹介します。

この記事を最後まで読み進めると、因幡の白兎が物語で何が言いたいかはもちろん、物語を通した学びを子どもと一緒に理解することができるでしょう。

「子どもになんて教えよう⋯」と悩んでいる方は、最後まで読み進めて子どもたちと学びを深めて下さい。

1.因幡の白兎の物語全体で言いたいのは「因果応報」

因幡の白兎

因幡の白兎が伝えるのは、「因果応報」という教訓です。

【因果応報とは】

過去および前世の行為の善悪に応じて現在の幸・不幸の果報があり、現在の行為に応じて未来の果報が生ずること。

つまり、「悪いことをすれば悪いことが、良いことをすれば良いことが返ってくる」ということ。

物語の前半では悪い因果が、後半では良い因果が描かれていますので、それぞれ分けて詳しくご紹介します。

【物語前半】白兎に対する”悪い因果応報”

【物語後半】大国主命(おおくにぬしのみこと)に対する”良い因果応報”

子どもに伝える上で、重要な部分なのでしっかり理解を深めていきましょう。

1-1.【物語前半】白兎に対する”悪い因果応報”

物語の前半では、「悪いことをすると、悪いことが返ってくるという、”悪い因果応報”」が描かれています。

白兎は、因幡の国へ行くために、海を渡る手段を考えます。

そこでとった行動が「サメをだまして、背中をジャンプして渡る」というズルい作戦でした。

サメたちは白兎の話を信じて並んでくれましたが、白兎が渡りきる直前に「だましてやった」と笑ったことで、怒ったサメに皮をむかれ、大ケガをしてしまいます。

これは、

自分がズルをした(=悪い因) → ひどく苦しむ(=悪い果)

という、まさに悪い因果応報の姿を表していると言えるのです。

1-2.【物語後半】大国主命(おおくにぬしのみこと)に対する”良い因果応報”

物語の後半では、「良いことをすると、良いことが返ってくるという、”良い因果応報”」が描かれています。

白兎が苦しんでいるところへやってきたのが、大国主命(おおくにぬしのみこと)です。

彼は、他の兄神たちのようにバカにしたり、からかったりせず、白兎の話を聞き、正しい治し方をやさしく教えてあげます。

それからというもの、「オオクニヌシこそ、八十人の兄弟の中で いちばんすぐれた方だ。」と、世につたわるようになったのです。

これは、

人に優しくした(=よい因) → 信頼され、評価される(=よい果)

という、“良い因果応報”を表しています。

大国主命は、ただ力があるのではなく、思いやりある行動が「信頼」という良い形で返ってきたのです。

2.「因果応報」だけじゃない、因幡の白兎が教えてくれる6つの大切なこと

うさぎの像

因幡の白兎の物語は、「因果応報」以外にも子どもたちに伝えたい教訓が多く含まれています。

【因幡の白兎から学べる教訓】

・悪いことをした人を憎まず優しくする
・正直に気持ちを話すと助けてもらえることもある
・間違いを起こしてもやりなせる
・困っている人に手を差し伸べよう
・人をからかったりバカにしたりしてはいけない
・本当の強さは力の強さではなく心の強さにある

当たり前のようなことでも、これから子どもたちが成長をする過程で大切な教訓ばかりです。

子どもに伝える時に迷ってしまわないよう、わかりやすく伝える伝え方も合わせてご紹介します。ぜひ参考にして下さい。

ひとつずつ解説します。

2-1.悪いことをした人を憎まず優しくする

まずは、悪いことをした人であっても、憎まず優しくすることの大切さを伝えています。

物語の中で白兎は、自分のズル(サメをだましたこと)が原因で皮をむかれてしまいます。苦しむ白兎に対して、兄神たちは冷たくからかいますが、大国主命(おおくにぬしのみこと)だけは違いました。

大国主命は、白兎が過ちをおかしたことを知ったうえで、責めることなくやさしく声をかけ、正しい治し方を教えてあげたのです。

このことから、間違ったことをした人でも、その人自体を否定せず、やさしく向き合うことが大切だと教えてくれているのです。

子どもに伝える時の伝え方の例

白兎はたしかに悪いことをしたけど、大国主命は「そんなことしたのか!」って怒らなかったよね。

「どうしたの?」って話を聞いてくれて、体の治し方まで教えてくれたの。

間違ったことをしたからって、その人を嫌いにならずに、優しくできる人になりたいね。

 

2-2.正直に気持ちを話すと助けてもらえることもある

2点目に、正直に気持ちを話すことで、誰かが助けてくれるということを教えてくれています。

白兎は最初、サメをだましたことを隠していましたが、大国主命に出会ったときに正直に自分の過ちを話しました。

すると大国主命は、それまでの神々とはちがって、真剣に話を聞き、丁寧にケガの手当て方法を教えてくれたのです。

このことから、「悪いことをした」と思っても、正直に気持ちを話せば、理解してくれる人がいるその勇気が助けを呼ぶこともあるのです。

子どもに伝える時の伝え方の例

白兎は「ごまかす」こともできたけど、自分がズルをしたってちゃんと話したんだ。

正直に気もちを話したから、大国主命はちゃんと向き合ってくれたんだよ。

イヤなことや失敗しちゃったことも、話せたらそれは「勇気」だね。

 

2-3.間違いを起こしてもやりなせる

3点目として、どんな間違いを起こしても、やり直せることを伝えています。

白兎はズルをして、苦しみ、大きな間違いをしました。

でも、反省し正直になり、大国主命に助けられたことで、ふたたび元気を取りもどします。

このように、物語は「過ち→苦しみ→反省→再生」という流れでつくられており、間違いをしても立ち直ることができるという希望を描いています。

このことから、誰でも間違えることはある。でも、向き合い方次第で、何度でもやり直せるということを白兎は教えてくれているのです。

子どもに伝える時の伝え方の例

ズルをしてしまっても、間違ったことをしてしまっても、ちゃんと反省すれば、やり直せるんだね。

白兎みたいに、間違いをそのままにしないで向き合えば、もう一度立ち上がれるよ。

 

2-4.困っている人に手を差し伸べよう

4点目として、困っている人が目の前にいたら、手を差し伸ばして助けてあげることの大切さも伝えて居ます。

白兎が苦しんでいるとき、多くの神々は見て見ぬふりをしたり、からかったりしました。

でも、大国主命はただひとり、困っている相手に手を差し伸べた存在でした。

これは、現代でいえば「困っている友だちを放っておくか? 声をかけられるか?」という問いにもつながります。

このことから、「まわりが笑っていても、あなたは手を差し伸べる人になろう。」その行動こそが、本当の優しさであると伝えてくれているのです。

子どもに伝える時の伝え方の例

白兎はつらくて困っていたのに、みんな笑ってばかりだったよね。

でも、大国主命は「どうしたの?」ってちゃんと声をかけたんだ。

もしクラスで困っている子がいたら、大国主命みたいに「大丈夫?」って言える人になりたいね。

 

2-5.人をからかったりバカにしたりしてはいけない

5点目として物語の中では、人をからかったり、バカにすることが良くないことを伝えてくれています。

他の兄神たちは、白兎のケガを見て「海水につかって風にあたれば治る」とウソのアドバイスをし、結果的に白兎をさらに苦しめました。

これはからかいや意地悪が、人をどれだけ傷つけるかを象徴しています。

このことから、ふざけて言ったことや、からかいの言葉が、相手を深く傷つけることもある。だからこそ「思いやりある言葉を選ぼう」という教えが込められているのです。

子どもに伝える時の伝え方の例

白兎は間違えて苦しんでるのに、まわりの神さまたちは笑ったり、からかったりしてたね。

からかうと、相手がもっとつらくなることもあるよ。

間違っている人を見たら笑わない。助けてあげる気持ちを持とうね。

 

2-6.本当の強さは力の強さではなく心の強さにある

最後に、本当に強さは「力が強い」とか「権力がある」ということではなく、「心の強さ」であることを教えてくれています。

他の兄神たちは見た目にも強く、地位もある「力ある神」でしたが、白兎を見下すような態度をとりました。

それに対して、大国主命は目立たない存在でしたが、思いやりと行動力という「心の強さ」を持っていました。

白兎は最後に「あなたこそ、因幡の姫にふさわしい本当のリーダーです」と、言います。

これは、「本当の強さとは、優しさと思いやりを持つ人のこと」というメッセージです。

このことから、力や見た目の強さではなく、人の痛みを理解し、行動できることが、本当の強さであると伝えてくれているのです。

 

子どもに伝える時の伝え方の例

力があることや、なんでもできることもすごいけど、

白兎が「本当にすごい」って言ったのは、大国主命の優しさや思いやりだったよね。

本当の強さって、「人のために動けること」かもしれないね。

 

3.因幡の白兎は「人生で壁にぶつかったときの乗り越え方」までをも伝えてくれる話

因幡の白兎は、ただの昔話ではありません。「人生で壁にぶつかったときの乗り越え方」を教えてくれるお話です。

実際に、奥村治氏の論文でも、現代的な解釈として以下のように書き記されています。

困難への対処法について

人生で壁にぶつかった時、ずる賢い方法で一時的に切り抜けようとしても、結局は自分に返ってくる。 本当の解決は、正直で誠実なアプローチから生まれる。

引用:奥村治, 「『因幡の白兎』の C4 モデル分析 日本昔話・シナリオの構造解析」, 筑波大学, 2025年

また、同論文では、以下のようにも記載されています。

人間関係における信頼について 他人を利用したり騙したりして得た利益は一時的で、長期的には信頼関係を破壊する。

真の成功は、相互尊重に基づいた関係から生まれる。
困難な状況での成長について苦しい経験も、それを通じて謙虚さや感謝の心を学ぶ機会となる。
真の救いは、単に問題が解決することではなく、その過程で人として成長することにある。

引用:奥村治, 「『因幡の白兎』の C4 モデル分析 日本昔話・シナリオの構造解析」, 筑波大学, 2025年

 

このように、子どもだけでなく、親自身がどう生きるかを問い直すきっかけにもなるのです。人生で困難に当たった時こそ、以下の3つを生かして、親子で実践していきましょう。

  1. 悪い方法で解決しようとせず、正直かつ誠実に解決方法を考え抜く
  2. 他者を利用するといった、周囲の信頼を損なうようなことはしない
  3. 困難自体を、人としての成長の過程と考える

きっと、どう行動するか、どんな人でありたいかのヒントが見つかるはずです。

 

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昔話の絵本は、子どもたちの成長過程で大切な「優しいこころ」「思いやりをもったこころ」を育むことができます。

ですが、「昔話って暗くて悲しいお話が多いし、手に取りにくい⋯」と思っている人も多いでしょう。

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4.まとめ

この記事では、因幡の白兎の物語が何を言いたいか、詳しく解説をしてきました。最後にまとめましょう。

因幡の白兎が伝えるのは、「悪いことには悪い結果が、良いことには良い結果が返ってくる=因果応報」という教訓です。

それ以外にも、以下6つの教訓を教えてくれています。

 

【因幡の白兎から学べる教訓】

・悪いことをした人を憎まず優しくする

・正直に気持ちを話すと助けてもらえることもある

・間違いを起こしてもやりなせる

・困っている人に手を差し伸べよう

・人をからかったりバカにしたりしてはいけない

・本当の強さは力の強さではなく心の強さにある

因幡の白兎は、ただの昔話ではなく、「人生で壁にぶつかったときの乗り越え方」まで、今の私たちにも教えてくれるお話です。

子どもにこれらの道徳心をしっかり伝えて、優しいこころを育んでいきましょう。

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忙しい日々でも、親子で心を通わせる時間が生まれます。
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